日本は「世界最低レベル」。世界保健機関(WHO)が判定した、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙対策のことである。情けないが、世界の流れと逆行しているのが現状のようだ

▼昨年、15年ぶりに改定した厚労省の「たばこ白書」ではこの指摘を踏まえた。受動喫煙が肺がんや脳卒中、心筋梗塞などに確実に影響するとして「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と提言した

▼喫煙者にとっては耳の痛い話かもしれない。だが、大人だけでなく子どもや乳幼児などへの健康被害の因果関係が明らかになる中、吸う人も吸わない人も、議論は避けて通れないだろう

▼国では受動喫煙防止のための法改正に向けた議論が進められている。「分煙」「喫煙」「全面禁煙」のすみ分けが厳格に確実にできることが理想だと思う。飲食業界でも店頭表示や排気設備のある喫煙所設置など、消費者に選んでもらう対策も進む

▼ただ、完全に煙をシャットアウトする難しさや街頭、停留所など屋外空間での対策も課題。受動喫煙の環境下で働く労働者の救済など、きめ細かな防止策を世界レベルに引き上げる知恵が求められる

▼きょうは世界禁煙デー。受動喫煙のない社会を目指して-をテーマに週間が始まる。屋内禁煙の世界的な流れを踏まえつつ、快適な社会づくりが何かを考えたい。(赤嶺由紀子)