大弦小弦

 「4・28」「5・15」「6・23」「9・29」「10・21」「3・23」。沖縄はいくつもの日を刻んできた。県民にとって痛苦の刻印だ。そして、きのう新たに「11・8」が刻まれた▼米軍普天間飛行場の県内移設に反対する県民大会。参加者たちが口々に叫んだのは「米軍基地はいらない」という、シンプルなメッセージ。基地が未来に残す財産にならない、ことを多くのまなざしが訴えた▼1995年の事件以来、沖縄は基地問題で揺れた。どんなに言葉を重ねても理の通じぬ相手に、言葉はむなしく返ってきた。しかし、大会会場で2万人余の人が思いを共有し、幾重もの輪となるさまに、自ら言葉を発し続けることへの思いが沸き立つ▼政府内では、葬られたと思っていた嘉手納統合案が蘇(よみがえ)った。足元がよく見えない“亡霊”みたいだ。基地問題に関して、鳩山政権の腰がなんだか定まらない▼県内をみれば、訪米中の仲井真弘多知事の発言が頼りない。米と直談判できる好機に、「松沢さん(神奈川県知事)のお供」と言う。政府も知事も、リーダーとしての主張が虚(うつ)ろだ。つかみどころのない発言は米国に誤解を与えかねない▼リーダーたちの背筋をぴんと伸ばすために、住民の力も試される。移設は県外へ。「11・8」の明確な意思を胸に言葉を発し続けたい。(平良哲)

(更新日:2009年11月09日 10:00)

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 ベビーカーを押し、あるいは小さな手を直接引いて若い母親たちがやってきた。部活を途中で切り上げたのか、ユニホーム姿の高校生たちもいた▼取材班の一人として参加した1995年の県民総決起大会。終盤になっても会場へ向かう人の波は途切れなかった。「沖縄の思いをしっかり伝えてよ」。参加者に声をかけると取材するこちらまで励まされた▼もう傍観者ではいられない―それまで反基地運動に無縁だった多くの人たちがあの日、自らの意思で会場に足を運んだ。一人一人の力は小さいが、万人が集まれば強いメッセージを発信できると実感できた1日だった▼あれから14年。基地問題は幾つもの節目を迎え、そのたび「今度こそは…」という淡い期待と「やはり駄目なのか」との失望を繰り返してきた。無力感にかられ、日々の生活に追われていると、世代や立場を超えて心を一つにした、あの日の思いが次第に遠くなっていく▼「沖縄の方々の思いを受け止め、真剣に取り組む」と米軍普天間飛行場の移設問題で公言した鳩山由紀夫首相。迷走する内閣の動きを連日の報道でみていると、首相発言をどう解釈したらいいのか理解に苦しんでしまう▼だからこそ沖縄の意思をはっきりと示したい。私たちが望む沖縄の姿をこの手で引き寄せるために、今度こそ。(奥村敦子)

(更新日:2009年11月08日 09:54)

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