Tokyo沖縄めし(10)沖縄料理 ちゃたん

今回は江東区亀戸にやってきました。JR亀戸駅東口を出て大通りから真向かいにある緑道公園を200㍍ほど進み、右の路地に曲がった一角に沖縄料理の「ちゃたん」がある。

駅から10分ほどしか歩かないのに、真夏の蒸し暑さで、体はキンキンのビールを求めている。さっそく、定番のオリオンビールで喉を潤す。クゥー。この瞬間、体温は2度ほど下がった感覚になる。一緒に出されたお通しのやっこにオクラも胃に優しい。

あまりに暑くて我慢できずに飲んでしまいました
ひんやりやっこが体の熱をとる

バテ気味の体には、やはりゴーヤーチャンプルーですね。夏にむしょうに食べたくなるウチナー料理の定番。
      

 
卵の焼き加減が絶妙なゴーヤーチャンプルー

旬のゴーヤーの苦みとポークランチョンミートの塩味、夏を乗り切る必須アイテムにへばる我が身も喜ぶ。

 
食欲そそるナーベーラーの照り。これ食べると腹が落ち着く

ナーベーラー(へちま)もゴーヤーと並ぶ沖縄を代表する夏野菜。この時期、むしょうに食べたくなる沖縄めしです。新聞記者やエッセイストとして活躍した故古波蔵保好さんの著作「沖縄料理物語」(講談社文庫)には、暑い時季に沖縄では葉野菜がめっきり少なくなる。だから青野菜としてのゴーヤーやナーベーラーは貴重だったと記されている。

幼い頃、ゴーヤーやナーベーラーは苦手だった。しかし、大人になるにつれ、野菜の個性に魅了され食卓に欠かせない食材となった。古波蔵さんの本には「苦瓜の苦味とヘチマの甘味に、ようやくうまさを感じたのは、人生の味がわかりかけたことを意味していたのかもしれない」とある。人生に苦味と甘味あり。

東京でナーベーラーンブシーを出す店があるとうれしくなる。ンブシーとは味噌で煮込んだ料理。柔らかな独特な食感と味噌の風味で、ご飯がすすむのだ。野菜を炒めたり煮込んだりすると、野菜の水分が出て来るが、ナーベーラーはその水分がふんだんに出てくる。これを「ドゥー汁」という。その甘味が味噌と相まっていい味出すんです。「ちゃたん」のそれはピリ辛テイストで、米との相性はさらに増す感じだ。

他府県の人はなかなか食べない食材だ。もったいない。こんなおいしいのに。

マスターの知念春雄さん(右)と妻のシゲ子さん

ちゃたんのマスター、知念春雄さんは店名どおり、沖縄本島中部の北谷町砂辺の出身。沖縄が本土復帰する4年前、18歳で上京。友人のつてを頼り、新橋の焼肉店で働き始めた。その後、独立し江東区千田で焼き肉店を営んでいて繁盛していたという。しかし、狂牛病の流行の影響をもろに受け、家族連れらがパッタリ来なくなった。

当時はNHK朝ドラ「ちゅらさん」効果もあり、沖縄料理が都内でも人気が出始めたころで、それならば、と一念発起し沖縄料理の店を出し、7年前にいまの地に落ち着いた。

知念さんは、だれから教わったわけでもないが、若いころから歌三線が好きで、コロナ以前は店でも頻繁にさまざまな唄者を招き民謡ライブを開いていた。それを楽しみに来店する常連客も多かった。

現在は、なかなかライブができる状況ではないが、定期的に三線も教えていて十数人が通っているという。

店内には三線がいくつもある
ウチナーグチの紹介コーナーも
 
チャンプルーにおつまみ、揚げ物、煮つけなどのメニュー
ビールにサワー、ソフトドリンクも

さて、腹も満たされてきたので、泡盛を。

この日は残波の黒。もっとも流通している銘柄と言ってもいいだろう。飲みやすい泡盛だ。

残波の黒は度数30度

残波に合うつまみは、マスターおすすめのカツオの酢味噌に、これもむしょうに食べたかったヒラヤーチー。

 
 
 

カツオ酢味噌はピリ辛。水菜のシャキシャキ感がたまらない。ヒラヤーチーはニラが入った王道だ。幼いころ、おやつがわりに母親が作ってくれた。手早く調理できるファストフードである。粉もん万歳!。普通のソースにこれもまたピリ辛ソースの2種類がある。ピリ辛テイストが多いのは焼肉店の名残りか。でも辛い料理はお酒に合うのだ。泡盛がグイグイいける。

今回は挑戦できなかったが、ちゃたんにはイカ墨汁もある。今度来るときは絶対に注文しよう。それでは、クワッチーサビタン。

〈メモ〉
沖縄料理 ちゃたん
〒136-0071 東京都江東区亀戸6-6-5
ランチ  11:30~13:00(月~金)
ディナー 17:00~23:00(日曜休み)