知事選と統一地方選が同じ日に重なるという、かつて経験したことのない「9・11政治決戦」が迫ってきた。

 復帰50年の節目の9月11日、知事選と24市町村の議会議員選、4市町村の市町村長選が実施される。

 沖縄市など21市町村は知事選と議会議員選、本部町は知事選と町長選の「ダブル選挙」、宜野湾市、大宜味村、伊是名村の3市村は知事選、市村長選、議会議員選という史上初の「トリプル選挙」となる。

 告示まで3週間となった知事選には、現職の玉城デニー知事と、前宜野湾市長の佐喜真淳氏、前衆院議員の下地幹郎氏が立候補を表明している。

 統一地方選の動きも本格化してきた。知事選との「同日選」だけに、セット戦術にも力が入る。

 米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市長選は辺野古移設「容認」の現職と、「反対」の新人の一騎打ちとなる公算だ。

 市町村議会議員選挙では、沖縄、宜野湾、名護、石垣、南城の5市の動向が注目される。

 名護市議選は、渡具知武豊市長を支える保守系与党と、新基地反対の革新系野党のどちらが過半数を獲得するかが焦点となる。

 今、関係者が最も注意を払っているのは、「ダブル選挙」「トリプル選挙」に伴う事務作業の混乱をどのように防止し、投開票を円滑に進めるかという点だ。

 未知の試みだけに周到な準備と予行演習が欠かせない。

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 トリプル選挙の場合、有権者が投票所でまごつき、候補者名を間違うことがないよう、会場でも注意を呼びかける必要がある。

 無事投票を済ませた後、開票所に投票箱を運び入れる作業も遅れの原因になる。

 投票箱の数が増えるため、投票箱を運ぶのに手間がかかり、開票予定時刻に間に合わず開票開始が遅れるというケースが、本土の自治体では起きた。

 開票作業をスムーズに進めるには、要員を増やす必要があるが、開票スピードを上げるには、事務要員の適切な対応が前提となる。

 ダブル選挙やトリプル選挙の場合、開票作業を同時に行うのか、それともどちらかの選挙を先行させるのか、作業手順がはっきりしない。

 県選挙管理委員会は各選管の意向を事前に聴取し、作業が円滑に進むよう調整を図るべきだ。

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 台風シーズンと重なる懸念もある。2017年の衆院選では台風の影響で一部離島から投票箱が船で運べず、開票が1日遅れるというトラブルが起きた。

 さらに今年は、新型コロナウイルス感染症の影響がどう出るのか、見通せない部分もある。

 9月11日の一斉選挙の後も、豊見城市長選や那覇市長選など選挙がめじろ押しだ。

 知事選と統一地方選を通して沖縄の政治地図がどう塗り替えられるか。

 復帰50年にふさわしい論戦を期待したい。