ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置として、中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を始めた影響で、沖縄県の与那国町漁協(嵩西茂則組合長、組合員105人)は5日、周辺海域への出漁自粛を決めた。島から60~80キロの距離に弾道ミサイルが相次いで落下し、危害が及ぶ恐れがあると判断した。(八重山支局・粟国祥輔、政経部・知念豊)

沖縄県与那国町の港に停泊した漁船=5日午後

沖縄県与那国町の港に停泊した漁船=5日午後

■貨物船は台湾到着に遅れ

 また、食料品などを積んで5日に那覇を出港し、台湾・高雄に向かった琉球海運の貨物船「みやらび2」は、台湾到着を遅らせ、6日は石垣島沖で停泊することを決めた。

 与那国町議会(崎元俊男議長)は9日の臨時会で、中国政府への抗議と、日本政府に適切な対応を求める決議案を上程することを決めた。可決される見通し。

 町漁協は5日午前5時から同町久部良の漁港で、嵩西組合長らが組合員に事情を説明し、漁の自粛を要請。既に出漁した漁船は無線を使って呼び戻した。期間は8日まで。

■船を出していいかどうか

 カジキやアカマチ漁の約30隻に影響が及ぶ。嵩西組合長は「船を出していいかどうか悩んだ。自粛期間は3日と短く(組合員は)我慢できると思う。さらに1週間、10日と延びたら大変なことになる」と話した。

 県漁業協同組合連合会(上原亀一会長)は5日、演習中止を中国側に働きかけるよう日本政府に近く要請することを決めた。県とも共同歩調を取りたいとしている。