切れ目ない支援が急務

 ◆加藤彰彦さん(沖縄大学名誉教授)

 今回追加公表された調査結果からも、子どものいる家庭の厳しい経済状況や困窮の実態が読み取れる。貧困問題は大人の問題であり、社会全体の問題だ。その負担が子どもたちにきてしまっている。次の世代を担う子どもたちにのしかかる貧困問題を解消しなければならない。

 困窮世帯ほど学生生活を維持するためにアルバイトをして学業に集中できず、バス賃などの通学費に窮して高校を退学するケースもある。全ての子どもたちを支援できれば理想だが、まずは厳しい状況に置かれた子どもたちをしっかり支援することを行政には期待したい。

 県や市町村が貧困対策の施策を展開しているが、その実効性や現場ニーズに適合しているかを検証する必要がある。調査結果から見えてきた必要な施策を提言としてとりまとめた。生活費に窮している高校生への奨学金や通学交通費の支援は急務だ。子どもが安心できる居場所として学校現場との連携強化の必要性も強く感じている。

 問題解消をやり切るには県民全体が思いを一つにすることが重要で、「子どもの貧困対策条例の制定」を盛り込んだ。方向性を一致させた県民運動として進めていく必要がある。「子ども・子育て特区」設置への取り組みも加えた。子どもの割合が全国一高く、最も深刻な状況の沖縄での取り組みが全国モデルになる可能性を秘めている。

 今後予定されている乳幼児の調査結果も踏まえて、幼児から青年期まで切れ目のない支援体制につなげていければと考えている。(児童福祉論、談)