1935沖縄 よみがえる古里

戦前の沖縄、時代写す貴重な資料 元朝日記者の家族が託す

2017年6月5日 16:36

【解説】本土の沖縄観を探る一助

 1935(昭和10)年撮影の沖縄写真群の歴史的意義は、本土から訪れた取材陣の沖縄観を探ることができる点にある。

 大正期の首里城の写真など鎌倉芳太郎資料の国重要文化財指定に携わった写真史家、金子隆一さん(元東京都写真美術館専門調査員)は沖縄写真群を「沖縄を写した、ごく初期の報道写真」と位置付ける。

 金子さんによると、近年の日本の写真史研究では、写真だけでなく撮影時の社会情勢まで踏み込んで考える傾向にあり、戦前の報道写真研究は重要さを増している。一方で、沖縄にあった写真は沖縄戦で大半が焼け、現在その研究は手つかずに近い。

 35年は委任統治領だった南洋群島開発十カ年計画発表などがあった年。沖縄経済が極度に疲弊した「ソテツ地獄」救済のため32年に県振興計画が閣議決定された後で、38年の国家総動員法制定前に当たる。時代と写真群を一緒に考えることで、沖縄国際大学の吉浜忍教授(沖縄近現代史)は「メディアの報道が戦時色をどう強めていったか、時代の流れが見える」と語る。

 本土から訪れた取材陣は沖縄をどう描こうとしたのか。ノスタルジーだけでなく、その視線を読み取ることができるのが、この写真の重要な価値といえる。(「1935沖縄」取材班・堀川幸太郎)

戦前の沖縄撮影 情報を呼び掛け

 沖縄の戦前の様子を撮影した写真について、情報をお寄せください。なお、いただいた情報は朝日新聞社と共有させていただきます。

 情報提供などは沖縄タイムス「1935沖縄」取材班、電話098(860)3553まで。メールは、okinawa1935@okinawatimes.co.jp

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 戦火に包まれる前の沖縄がよみがえります。待望の写真集が朝日新聞出版から全国販売。「糸満」「那覇」「久高島」「古謝」と地域ごとに章立てされ、82年前の人々の生き生きとした様子が鮮明なモノクロ写真で紹介されています。

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