1935沖縄 よみがえる古里

【墓参り】着物かぶり泣く女性たち 「泣き女」の風習、今も形変え

2017年6月8日 12:01

 サバニが並ぶ砂の道を布をかぶった4人の人がはだしで歩いている。奥には海が見える。道端にしゃがみ込んだ少女の1人はその様子を、もう1人はカメラを見詰めている。

布をかぶって墓参りする女性たち。糸満市史を編集する糸満市生涯学習課によると、これまで葬儀のときの風習だとされてきた。今回見つかった大阪朝日新聞の写真説明には「族の命日に」とあり、本葬ではないことを示唆する。糸満市糸満の宮城夏枝さん(88)は「同じ格好で、四十九日まで週1度は墓参りをした」と証言。葬儀以外でもこうした習慣があったことをうかがわせる。糸満市糸満の町端区の路地、通称「西新地ン門(にしみーじんじょー)」と見られる(写真は朝日新聞社提供)

着物をかぶって泣く女性たちがいた葬列を語る宮城夏枝さん=糸満市糸満

布をかぶって墓参りする女性たち。糸満市史を編集する糸満市生涯学習課によると、これまで葬儀のときの風習だとされてきた。今回見つかった大阪朝日新聞の写真説明には「族の命日に」とあり、本葬ではないことを示唆する。糸満市糸満の宮城夏枝さん(88)は「同じ格好で、四十九日まで週1度は墓参りをした」と証言。葬儀以外でもこうした習慣があったことをうかがわせる。糸満市糸満の町端区の路地、通称「西新地ン門(にしみーじんじょー)」と見られる(写真は朝日新聞社提供) 着物をかぶって泣く女性たちがいた葬列を語る宮城夏枝さん=糸満市糸満

 上原喜久江さん(83)=糸満市糸満=も3、4歳のころ、近所で着物をかぶった女性の列を見かけた。「何かな、としゃがみ込んで下から顔を見ると、泣いている。大人でも泣くんだ、と思った」

 バサージン(芭蕉布の着物。旧糸満町地域ではバサーギン)をかぶった「泣き女」は葬儀のときに現れた。1940年に糸満を訪れた写真家、坂本万七(1900~74年)の写真にも亡骸(なきがら)を納め、男性が運ぶ棺「龕(がん)」に続いて歩く泣き女や親族らの姿が写っている。

 金城健さん(84)=同=は泣く様子を「家の門を出ると泣きやみ、墓が近づくとしくしく泣き始め、わーんわーんと大声になる」と思い起こす。

 大人の泣き女に交じって葬列に加わったのを覚えているのは玉城チヨさん(91)=同。「女の子も帽子みたいなものをかぶって一緒に歩いた」と証言する。同じく後を付いた経験があるという宮城夏枝さん(88)=同=は「10歳から十四、五歳ごろまで、白いとんがり帽子のようなものをかぶって付いていった」と話す。

 戦後、徐々に見かけなくなった「泣き女」だが、金城さんは「着物をかぶる代わりに晴れていても傘を差し、泣くお年寄りは今でもいる」と話した。(「1935沖縄」取材班・堀川幸太郎)

 ◆情報をお寄せください。朝日新聞社と共有させていただきます。「1935沖縄取材班」、電話098(860)3553、メールはokinawa1935@okinawatimes.co.jp

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