県内の小中高校生がスポーツなどの部活動で県内外に派遣される際の1人当たりの旅費総額が平均で6万5277円に上ることが、みらいファンド沖縄の2021年度実績まとめで分かった。同ファンドは遠征費を補助する実証事業に20年度から3年計画で取り組んでいる。行政補助や地域の資金造成などを差し引いても家計から支出する額は5万1551円と、負担が大きい実態が浮き彫りになった。

 同ファンドの補助などを使うことで実際の支出額は2万3731円まで減った。ただ、この補助の対象とならない地域や競技は多い。子どもが夢を諦めない新たな支援の仕組みが必要となる。

 県内の部活動の派遣費を巡る本格調査は例がなく、実態の一端が明らかになった。地区予選の段階から宿泊が必要になる離島から沖縄本島への派遣費は一人平均3万1439円で、さらに県外派遣を勝ち取ると費用もかさみ、負担はより深刻になることも分かった。

 同ファンドは銀行の休眠預金を使う公益活動として、石垣島と竹富島を対象にするハブクリエイト社、豊見城市体育協会、県サッカー協会の3団体を通じて補助事業を進めている。21年度は47大会に出場した638人に補助し、データをまとめた。(運動部・溝井洋輔)