都内で28日に開かれた「沖縄ナイトin東京」は大盛況だった。沖縄観光への貢献に感謝する恒例のイベントで、航空、旅行会社を中心に1500人も集まった
▼にぎわいのさなかに飛び込んできたのが、スカイマークの倒産であった。国内航空第3位で、沖縄路線も20便以上を運航する会社である。「観光客増加の勢いを削ぐことにならなければいいが」。先行きの懸念も無理からぬ声である
▼格安運賃で航空業界に風穴を開けたが、拡大路線を取り始めようとした矢先、自らが目指した格安航空会社の攻勢を受け業績が悪化した。経営はダッチロールの様相を呈し、「再建できるのか」に注目が集まっていた
▼超大型機の購入や、人気マンガを描いた機体の投入、物議をかもしたミニスカートの制服…。退任した西久保慎一前社長は、話題づくりも“巧み”だった
▼社長の施策が社員に浸透していないのか、取材で広報担当が「社長に聞いてください」と答えられず、一緒に困惑したこともある。「業界の風雲児」は、突っ走るワンマン経営者でもあったのだろう
▼当面、運航は続くが収益改善のため2月から15%減便する。石垣、宮古路線の撤退方針も示された。先島では生活路線にもなっている。視界不良の暗雲を払い、黄色い星の翼が再び南の空を巡航する日を待ちたい。(宮城栄作)