【沖縄】沖縄市は15日、ヤングケアラーについて考える講演会を市民小劇場あしびなーで開いた。沖縄大学の名城健二教授は、ヤングケアラーとの接し方や支援の在り方を助言した。ケア自体を否定すると子どもは親や自分自身を否定されたと感じるとし、「ケアを担っていることを否定しないで」と呼びかけた。(中部報道部・屋宜菜々子)
ヤングケアラーは貧困や虐待だけではなく、経済的に安定している家庭でも生まれるといい、名城教授は「子どもや保護者が萎縮すると表面化しにくくなる。萎縮しないような配慮が必要だ」と話した。
また、「子どもは大人に褒められると、もっとやろうと思ってしまう。子どもの年齢を考慮した上で、ケアの行動を安易に褒めない視点も必要」と説いた。
さらに「ヤングケアラーの経験全てが悪いわけではない」としつつ、影響が10、20年後に表面化してくるケースもあり「子どもの頃にどう支援していくかが大事だ」と話した。
共働きの両親を支えるため、妹の世話や家事の一部を担っていた沖縄大学2年の下門未幸さんは「役立っていると思い、自主的にやっていた。大変だったねと言われるのは嫌」と複雑な気持ちを語った。
近所の人が日常的に声かけや食事を分けてくれることがあり「孤独を感じなくて済んだ」という。ケアを担い「損をしたという感情はない」と振り返った。
市教育委員会指導課主幹の新垣邦彦さんや、市こども相談・健康課こども相談係長の大城美奈さんも登壇し、市の取り組みなどを報告した。