本紙で「続・旧暦歳時記」を執筆する崎山正美さんが6月24日、西原町の琉球大学で、旧暦を通して知る沖縄の世界観について講義した。学生たちは、国語の教科書で教える季節と沖縄の季節や自然の異なりに悩む教師の卵。村上呂里教授が地域に根ざした季節感を考えようと企画した。崎山さんは「自分の歳時記帳を作り、季節の鳥や花を記録すれば、自分の中に入ってくる」と助言した。

教師を目指す学生に旧暦による沖縄の世界観をを伝える崎山正美さん=西原町の琉球大学

 家族の影響で自然に興味があった崎山さんは「現在の流される生活への疑問から、季節を感じることで感性を取り戻そうと、旧暦にこだわってきた」という。「糸満の旧暦文化に親しむ会」を主宰し、伝統行事を記録。暮らしの中で触れた自然や季節への思いを日々、仲間にメールで発信する。

 日本では1873年に太陽暦に変更する時、季節行事の日付を移行した結果、自然と暦のズレが生じたとした。「新暦では桃の節句には桃が咲くには早く、6月に降る梅雨の雨を五月雨と表現する」と説明した。

 本土と異なる沖縄の自然を紹介。4月に紅葉と菜の花が同時にある風景、2月にポインセチアが満開の光景を紹介。琉球の先達たちも本土の季節感に添い苦労して表現したと指摘。

 尚穆王の琉歌を「秋の野にのがす 鶯(うぐいす)のほける 春のおもかげの 残てをため」を紹介。「秋なのにウグイスがいるのは春の面影が残っているからと読んだ。

 和歌の影響と思われるが、沖縄では一年中ウグイスは鳴く」と紹介。1609年の薩摩侵攻以降、本土の文化が浸透するにつれ、「沖縄の異質性を認識しがたくしている」と指摘した。

 学生たちからは「子どもたちと歳時記を一緒に作ることで、本土との異なりを受け入れられる」「地域差を個人が感じるような教育が必要ではないか」など、活発な質問が出た。