[新春 TOP INTERVIEW 2023]

 -2022年を振り返って。

 復帰50年という節目を捉え、「これまでも これからも 沖縄の皆さまとともに歩んでいく」という思いのもと取り組んできました。トピックスの1つは、県の事業を通じて約400キロにおよぶ海底光ケーブルを北大東島に敷設したことです。それに合わせて、8月には北大東島と南大東島同時に光サービスの提供を始めました。県内においては02年のサービス開始以来、提供エリアの拡大などを進めてまいりましたが、おかげさまで多くの県民の皆さまにご利用いただき、10月には累計25万契約を突破することができました。

 また地域の皆さまに元気をお届けできるような取り組みもしたいと、首里城の早期復興を願い、沖縄支店の従業員約900名でリボンの折り紙によるウォールアートを制作し、世界記録として認定されました。

 -具体的に取り組んできたことは。

 沖縄の抱える課題をICT(情報通信技術)で解決することをテーマに取り組みました。一例ですが、離島教育に着目し、粟国島と座間味島の小中学校と本島をオンラインで結び「仕事」について考えるキャリア教育の授業を、N高等学校や吉本興業と連携して実施しました。生徒たちは生き生きとした表情で参加してくれました。

 また地域活性化に向けた取り組みとして、複数の自治体と締結しているICT連携協定をベースに、教育や防災、住民サービスなどにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やスマートシティー化に向けた検討などを開始しています。

 -ICT活用の取り組みは。

 地域のアマチュアスポーツの試合をAI(人工知能)カメラで自動撮影し配信するサービスなど新しい領域にも挑戦しています。またさまざまな社会インフラの老朽化が進む中、ドローンや車載カメラ、AIなど最新の技術を用いて、道路やガス管などの点検作業の省力化・効率化を支援する取り組みも進めており、県内でも実際に活用いただいています。

 -23年の取り組みは。

 これまでの取り組みを強化・加速したいと思います。通信事業者としての「つなぐ」使命を果たしながら、ICTを活用して社会課題の解決や地域の活性化に貢献していく取り組みをさらに具体化し、「電話会社」というイメージから脱却したいと考えています。

 DXに関しては、自治体や企業の皆さまからのご相談も増え、期待の高まりを実感しており、その推進のお手伝いができればと考えています。

 また消費電力削減に向けたピーク時の自動制御や循環型社会の実現に資する食品残渣(ざんさ)の堆肥化、脱炭素に向けた取り組み支援など、社会全体で意識が高まっているSDGsにつながる取り組みにも挑戦していきたいと思います。今年はそういう実例をできるだけ生み出したいと思っています。

 これからも安心・安全・便利で豊かな沖縄社会の実現に向けて取り組んでまいります。

 ふるえ・けんたろう 1972年福岡県出身。九州大学卒業。95年日本電信電話株式会社入社。2019年西日本電信電話株式会社秘書室長を経て、21年7月より現職。

Personal Question

(1)新入社員に薦めたい本や映画(2)思い出に残る旅(3)沖縄の持つ魅力・好きなところ

Answer

(1)漫画「宇宙兄弟」(2)スコットランド(人生初の欧州訪問地)(3)家族や人とのつながり。ウチナームークとなり実感