[新春 TOP INTERVIEW 2023]
-2022年を振り返って。
沖縄は日本復帰50年の節目を迎えました。年初は感染症の影響で出鼻をくじかれた形となりましたが、徐々に行動制限が緩和され、経済活動の再開も本格化しました。企業や消費者のマインドも前向きになってきたと感じています。当行では22年4月より第17次中期経営計画がスタートしました。キャッチフレーズに「スピード&クイックレスポンス」を掲げ、フットワークを活かした伴走型の事業者支援に努めています。また、迅速な対応とサービスの質向上に寄与する業務効率化も推進しており、PDCAを回しながらスリムで強靭(きょうじん)な組織づくりに取り組みます。
-資源高など新たなリスクも出てきています。
ウクライナ情勢の悪化による資源価格の高騰に、円安の影響が重なり、さらに人手不足も深刻化していますので、事業者への影響を注視していきます。特に中小企業・小規模事業者は、業種や規模によって影響度合いもさまざまであり、個々の実情に寄り添ったきめ細かい支援が求められます。そのためにも、普段の御用聞き訪問を徹底し、業況や資金繰りを把握するなど信頼関係の構築が重要であると考えています。
-ゼロゼロ融資の返済については。
これから元金返済を控えている事業者からは、資金繰りに不安を感じている声も多く聞かれます。そうした先に対しては、実態を十分に把握したうえで適切な支援を行っていきたいと考えています。事業者支援は個々の財務状況や経営課題に合わせて、オーダーメードで取り組む必要があります。独自の資金繰り支援や外部機関との連携など、あらゆる方策を活用し万全の態勢で対応にあたります。
-行内の働き方改革や女性登用などの取り組みは。
当行は経営理念の一つに「人財育成」を据えています。昨年は、行員の自発的な挑戦を尊重する取り組みとして「チャレンジ制度」の運用を開始しました。プロジェクトごとに自発的な参加を募り、行員が自らの能力を発揮できる機会を通じてやりがいが感じられるよう努めています。また、女性行員の制服を廃止し、ビジネススタイルを導入するなど、固定観念に捉われず柔軟に対応できる組織風土の醸成を目指しています。今後は年齢や性別にかかわらず、やる気や能力の高い行員の登用を積極的に行っていきたいと考えています。
-23年の抱負は。
感染症からの本格的な復興に向けて道筋がみえていますが、新たなリスクの影響が懸念されます。お客さまのニーズは社会環境の変化とともに多様化しています。当行は常に変化に向き合って内部革新に取り組み、良質な金融サービスの提供を目指します。そして、お客さまが壁に直面した際には、真っ先に「かいぎん」を頼っていただけるよう、これからも「お客さまのお役に立てる一番身近な銀行」を目指して鋭意努力を続けてまいります。
しんじょう・かずふみ 1963年生まれ、那覇市出身。明治大学法学部卒、90年に沖縄海邦銀行入行。2018年取締役に就任、20年に常務へ昇格。21年6月から現職。
Personal Question
(1)新入社員に薦めたい本や映画(2)思い出に残る旅(3)沖縄の持つ魅力・好きなところ
Answer
(1)若いうちはジャンルを決めず、いろんな知識・見聞を広めてほしい (2)大学生時代にバイクで日本一周野宿の旅をした経験が思い出深い (3)文化や気候、人の温かさも含めて全てが好きで魅力だと思う