[新春 TOP INTERVIEW 2023]

 -2022年を振り返って。   

 コロナが落ち着いてきて微増ではありましたが売り上げも伸び、申込件数も増えたということで事業運営としては合格かなと思っています。ニーズに応えた新商品のリリースや、DX面での当社独自のサービスの開発、他社とのシステム連携等に取り組み、申込件数は前年から2万件伸びて46万件になりました。今後の成長に向けては電子申込や電子契約、審査の自動化などをいかに進めていくかが大きな鍵になってきます。電子申込は全体の約15%で、電子契約は約4%ですが、2025年度には申込で70%、契約で60%まで引き上げる計画を立てています。DXは成長が加速し続ける分野ですので、計画値に満足せず電子化の割合を積極的に増やしていきたいと考えています。

 また、年収ベースで昨年比平均116%となる給与のベースアップと賞与の増額支給を行うとともに社員持株会の設立を通して、社員のモチベーション向上も図りました。

 -業界の動向をお聞かせください。

 電子申込・電子契約の事業に参入している業者が数多くいて、一社一社にプログラムを組んで対応するのはかなりの時間と労力がかかるので、共通したプラットフォームを構築できないかという考えがあり、会長を務めている一般社団法人全国賃貸保証業協会(LICC)でプロトタイプをつくり、テストを進めています。申込用紙の仕様も各社で異なっていますので、それを統一するだけでも各社の負担感が変わってきます。これまでは各社間で競争ばかりをしてきましたが、すぐには難しいとしても、できる部分は競争から協力へという方向に進めたいと考えています。不動産賃貸・売買契約手続きにおけるオンライン化が着実に広がっており、不動産業界のペーパーレス化、業務効率化につながるサービスの提供にも注力していきます。

 -23年の戦略を。        

 DX推進のために立ち上げた部署を中心に社内のDXをより一層推進していきたいと考えています。業務におけるペーパーレス化を積極的に進め、効率化を図っていきます。社員のIT知識の底上げ教育にも力を入れています。業務の効率化を追求し、これまで蓄積したノウハウとシステム化を掛け合わせることで新たなサービスを開発し、他社へそのサービスを販売、あるいは業務委託を受けるまでのレベルを目指しています。こうした部分が家賃債務保証業に並ぶ新たな柱になると考えています。DXへの投資、人への投資、M&A戦略を進めるための投資にも力を入れていきます。

 -今年の抱負を。        

 勝負の年。より一層力を入れて会社を発展させたいと考えています。新規株式公開(IPO)を目指して準備を着実に進め、経営体制の強化、企業価値をさらに高めていきます。新型コロナウイルス感染症も落ち着いてきたので、支社回りを再開させ、支社の社員たちとの意見交換を積極的にやっていきたいと考えています。
さこ・ゆきはる 1955年生まれ、広島県出身。2001年11月全保連株式会社を設立。家賃債務保証業界のパイオニアとして業界の発展に深く携わる。

Personal Question

(1)新入社員に薦めたい本や映画(2)思い出に残る旅(3)沖縄の持つ魅力・好きなところ

Answer

(1)映画「トップガン マーヴェリック」。命をかけて国を守る気概がいい (2)昨年8月に行った英国。捨ててはいけない文化や歴史を大事にしていた (3)アジアへの近さやリゾート地が集積していて楽しみやすい