[新春 TOP INTERVIEW 2023]

 -昨年を振り返って。      

 長引くコロナ禍で観光業が大きな痛手を受けましたが、従業員を守ることに徹し、一人も退職させることなく乗り越えました。春ごろから少しずつ観光客が戻り始め、受け入れ態勢が整わない宿泊施設も多い中、当ホテルは満を持してお客さまをお迎えすることができました。国内のお客さまだけで夏には稼働率が90%を超え、最高で95%を達成することができました。

 そこで、この2年間にわたり頑張り続けてくれた従業員への感謝を込めて、9月には年額数万円単位で給与を大幅ベースアップしました。これは社員を元気にすると同時に、社員への先行投資であると考えています。

 -いよいよ新ホテル開業の年です。

 6月20日にサウスウエストグランドホテルが一銀通りにオープンします。国内20、海外11拠点で展開するプラン・ドゥ・シーが沖縄で初めて運営を手掛けるホテルで、89の客室はツインルームで平均45平方メートル、最上階のペントハウススイートは120平方メートルの広さを誇り、11階には那覇の景色を一望するプールを備えた、富裕層が求める上質なリゾートです。国際通りから一歩入った立地は、沖縄の文化を満喫する那覇ステイに最適な、まさに大人の隠れ家リゾートにふさわしいものと思います。

 飲食部門では、洋食、和食、鉄板焼き、ランチバイキングも楽しめるオールデイダイニングなど4種類のレストランやグリルダイニング、サンセットバー(11階)があり、質の高いメニューと手の届きやすい価格帯が魅力ですので、地元沖縄の皆さまにもぜひ気軽にご利用いただきたいと存じます。

 沖縄の持つ文化、芸能、自然などの魅力をすべて満喫できる那覇は、世界に誇る美しい慶良間の海への玄関口でもあり、国際空港を持つ都市でありながら、今まで富裕層のニーズに応える贅沢なホテルがありませんでした。今年の春頃からはインバウンドの客足が戻る見込みですので、この新ホテルは那覇初のハイエンドなラグジュアリーリゾートとして、東南アジアをはじめ国内の富裕層のお客さまにもご満足いただけるものと期待しております。

 -23年は大きな転換期。     

 今年5月には、総支配人を務めている高倉直久が代表取締役社長に、私は代表取締役会長に就任いたします。この世代交代に伴い、株式会社パームロイヤルの社名を変更し、高倉コーポレーションに戻す予定でおります。ホテル部門は新社長に託しながら、私自身はかねて温め続けてきた不動産開発の夢に向かい、これからも共に精進してまいります。

 -新たな年を迎えての抱負を。  

 まずはサウスウエストグランドホテルの誕生が、沖縄観光の新たな目玉となるよう、心から願っております。そして世代交代という新たなスタートの節目の年として、組織をしっかりと固め、守り、安定させながら、守成への時ととらえ、今まで以上に人材を育て、今年もチャレンジし続けてまいりたいと思います。 たかくら・こういち 1948年生まれ。那覇市出身。慶應義塾大学商学部中退。78年高倉不動産代表取締役に就任。91年パームヒルズゴルフリゾート開業。2005年ホテルパームロイヤルNAHA開業。12年から現職。

Personal Question

(1)新入社員に薦めたい本や映画(2)思い出に残る旅(3)沖縄の持つ魅力・好きなところ

Answer

(1)ミッション・インポッシブルと007シリーズ(2)秘仏の十一面観音を探しに何度も訪れたチベット(3)世界各国に県人会を持つウチナーンチュの誇りと絆