[新春 TOP INTERVIEW 2023]

 -2022年を振り返って。   

 よいことも悪いこともありました。よい面は、東京五輪男子団体で銅メダルを獲得した、日本代表のエース張本智和選手をチームに迎え入れることができたことです。琉球アスティーダの結成当時から宣言し続けていた「世界を獲る」ために必要な選手です。21年に社外取締役に就任した福原愛さんとともにチームのブランド力と戦力の向上で一翼を担ってくれています。

 悪い面は、経営全体の30%程の売り上げを占めていた飲食店の減収です。8月には観光客の流入による外食需要が増えると予測していたのですが、新型コロナウイルス感染症による人流抑制の影響は見通しより長引きました。一方で、展開する「バルコラボ」全体では国の観光需要喚起策の全国旅行支援で観光客や地元のお客さまがご来店くださったおかげで、11月の売り上げが本年度最高となるなど、回復のきざしが見えてきています。

 -23年の見通しは。       

 明るい未来が見えています。コロナ禍で選手と会える機会が減りましたが、Tリーグ、琉球アスティーダファンの皆さまにどうにか還元できないかと試行錯誤していました。そこでインターネットの次世代型と呼ばれる「Web3.0」を活用した、唯一無二のデジタルデータに価値を生み出す技術NFT(非代替性トークン)の最新技術を使い、サイン入りの選手の顔写真やラケットに購入者の名前を記載し販売しています。本やデジタルアートは偽造されやすく、増販も簡単でしたが世界で唯一の「本物」のデジタル資産を購入できます。「最新技術×スポーツ」は野球やサッカーなどさまざまな競技で盛り上がりを見せており、今後も高水準を保つと考えています。

 -スポンサー企業への取り組みは。

 今年は、現在300社ほど加入していただいているアスティーダのオフィシャルパートナー企業様同士がビジネスマッチングできる「アスティーダパートナーズ」を伸ばしていきます。通常のスポーツチームのスポンサー契約にあるような高額な契約金をいただいて露出機会を増やすという手段ではありません。少額の契約金で、スポンサー様同士が自社の強みや課題を共有する場を設けることで、新たなビジネスを創出するメリットを感じていただくものです。今年は500社の加入を目指し、パートナー企業様のビジネス発展にも貢献したいと思っています。

 -22~23年シーズンのチームは。 

 張本選手を筆頭に吉村真晴選手や有延大夢選手などの活躍のおかげでリーグ1位を堅持しています。今年は19~20年シーズンからチームを率いている張一博監督とも3年契約を結びました。Tリーグ開幕シーズンからチームに関わっていただいている彼も「世界を獲る」重要な1人です。リーグ2位で東京五輪まで3大会連続五輪代表に選出されている丹羽孝希選手が所属する岡山リベッツは強豪ですが、2年ぶりの日本一獲得に向けて、チーム一同、全力を尽くしてまいります。 はやかわ しゅうさく 1976年秋田県生まれ。明治大学卒。2018年琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社設立。2021年プロスポーツチームとして日本初となる上場を果たす。著書「琉球アスティーダの奇跡」(毎日新聞出版)

Personal Question

(1)新入社員に薦めたい本や映画(2)思い出に残る旅(3)沖縄の持つ魅力・好きなところ

Answer

(1)自著「琉球アスティーダの奇跡」(2)家族と行った古き良きベネチア (3)きれいな海