
(写真)厚生労働省と日本臓器移植ネットワークが作成した臓器提供の意思表示を呼びかけるリーフレット
「命のリレー」を支えるもの
新垣綾子・デジタル編集部
重い心臓病を発症した東京都の佐藤葵(あおい)ちゃん(1)と川崎市の五十嵐好乃(この)さん(11)の家族や支援者が、米国での心臓移植手術を目指し、募金を呼びかけているとのニュースが2022年11月に報じられた。
急激な円安の影響で、過去の同じようなケースよりもさらに経費が跳ね上がり、目標額はそれぞれ5億円超。道のりの遠さを想像しめまいがしたが、葵ちゃんのもとには呼びかけから約1カ月で目標額を上回る支援が寄せられ、渡航に向けた準備を進めているという。
〈葵の命をつなぐスタートラインに立たせていただくことができました〉。支援団体のホームページに載った両親のコメントに、ひとまずの深い安堵と、ざわめきが入り交じった感情を覚えた。
心臓病を患う20歳未満の渡米移植でさかのぼると、沖縄県内では01年以降、合わせて5人の患者の支援団体がつくられ、募金活動が展開された。最高で3億2千万円の目標額を達成し、5人ともに渡米が実現、手術は成功した。...