那覇市に寄せられた自衛隊機や米軍機などの騒音に対する苦情が急増していることが市への取材で分かった。2017年度までは30件前後で推移したがその後増え、21年度は461件と17年度(33件)比で約14倍に増加。ただ、市には県の騒音測定局が空港周辺の2カ所にしかない。市街地の広い範囲の騒音記録はなく、増えた苦情の根拠を示せない状況だ。研究者は「軍用機の飛行範囲が拡大している可能性が高い」と推測し、騒音調査の範囲を広げる必要性を指摘する。(社会部・城間陽介)
市平和交流・男女参画課によると地域別で苦情件数の統計は取っていないが、担当者は「安謝、新都心、牧志からが多い印象」と話す。また市民からの苦情相談を掲載した市のホームページ(HP)では、奥武山公園周辺で自衛隊機の騒音を訴える声が多い。だが県の騒音測定局は市内には那覇浄化センター(同市西)と具志の2カ所だけで、広範な騒音状況は把握できていない。
浄化センターの測定局では20、21年度、コロナ禍で民間機の離着陸減の影響からか、1日当たりの騒音発生回数は減った。...