[アクロス沖縄](179)アプリ開発リーダー 吉野尚人さん(38)=那覇市出身

 いうなれば行動派。高校卒業後に上京し、就いた職業は10を超える。独学でプログラミング技術を身に付け、エンジニアになったのは29歳と遅まきだった。現在は、全国で200万人が利用するアプリ開発で陣頭指揮を執る。苦しみながらも自ら道を切り開き、経験を積んできた。杉並区議選に立候補したり、ウクライナ避難民支援のためポーランドに飛んだりと挑戦は終わらない。「とにかくいろんなことをやってみたい」。自分の可能性を信じ、走り続ける。

 小児がんで闘病する妹の治療費を優先してほしくて大学進学を諦めた。同級生たちが大学に進む中、高校を卒業したばかりの自分に何ができるかを考えながら、東京で職を探した。

 家庭教師に塾講師、引っ越し作業、花屋、スポーツ用品店、ウエーターなどさまざまな仕事を経験。「数えられないくらい」と笑う。高卒だとばかにされることもあったが、持ち前の行動力で、他の誰よりも働いた。

 転機となったのは、携帯電話ショップ店員の時。スマートフォンが飛ぶように売れ、みんな画面の中のアプリに夢中だった。...