在沖米海兵隊が県に使用届を提出した下地島空港(宮古島市)は、防衛力強化を巡り、日本政府内でも利用論が拡大している。“地ならし”に向けた動きとも受け取れる米軍の訓練計画に、県からは「なし崩し的に利用の幅が広がりかねない」(関係者)と懸念の声が上がる。一方、軍事目的で使わないと確認した「屋良覚書」と、日本国内の空港利用を認める日米地位協定5条の間で、米軍利用をどう位置付けるか、国、県ともに曖昧なのが実情だ。(政経部・大城大輔、東京報道部・新垣卓也)
下地島空港は那覇空港を除いて県内の民間空港で唯一、3千メートル級の滑走路がある。
県によると、海兵隊は「人道支援、災害救援のための習熟飛行」と届け出ており、これまで下地島空港で行われていない訓練。県関係者は「なぜ今、下地島なのか」と首をかしげる。
防衛省関係者は「ヘリとはいえ、確実に実績づくりだ」と指摘。別の関係者は南西諸島での「有事」を念頭に「民間空港の利活用をうたった2プラス2(日米安全保障協議委員会)合意を受けた流れだろう」と解説する。...