陳情小屋の前で、届いた慰問品と記念撮影する伊江島の住民。右端は阿波根昌鴻さん=那覇市(わびあいの里提供)
「私には何の力もないです」首を振る任命主席 孤立する抵抗 男性32人連行、追う家族
[ボーダーレス 伊江島の78年](7)
米軍が家を奪った真謝区は伊江島の西北端に位置する。役場がある東側の「ムラ」から離れていて、人口は8区で一番少ない。抵抗は、孤立を強いられていく。
阿波根昌鴻さんが保管していた大学ノート、通称「真謝日記」には1955年4月末の「軍用地主問題村民大会」の様子が記録されている。大城竹吉村長は「関係住民の苦境に対し、地元民が如何(いか)にすれば、良いか。(中略)余りに、無関心すぎる」とあいさつした。強制接収から1カ月半後の時点で、すでに他区住民の無関心を嘆いている。
阿波根さんたちは「耳より上に手を上げないこと」などで知られる「陳情規定」を定め、非暴力を貫いた。接収された畑に入り、農耕を続けることが闘いだった。
同年6月、米軍が一斉摘発に乗り出し、畑にいた区民約80人のうち男性だけ32人を選んで航空機で沖縄本島に連行する事態が起きた。東江トミさん(92)の夫で、区の書記だった保さん(故人)もその中にいた。...
有料この記事は有料会員限定です。会員登録すると、続きをお読み頂けます。
※ 無料期間中に解約すると、料金はかかりません。
残り848文字
お試し
0円/月(税込)
有料記事を毎月5本まで閲覧可能。速報メールや週間ランキングメールもお届け
お申し込み
ライト
990円/月(税込)
有料記事を毎月100本まで読めます。速報メールやニュースレターもお届け。紙面ビューアーは利用できません。
当月無料
お申し込み
スタンダード
2,750円/月(税込)
全てのコンテンツが読み放題。紙面ビューアーで、電子書籍やスクラップなど全機能が使えます。
翌月まで無料
お申し込み
オススメ!
ダブル
購読料 3,075円+0円/月(税込)
紙面の購読が必要です。追加料金なしで全てのコンテンツが読み放題。紙面ビューアーなど全ての機能が使えます。
お申し込み