沖縄県糸満市西崎で二丁目食堂を経営する新城安倫さん(37)と弟の喜友名安真さん(35)は2022年2月から、毎週木曜の夕方に子ども食堂を開いている。コロナ禍で経済的に苦しい家庭や楽しみの少なくなった子どもたちの姿を見て何とかできないものかと一念発起。県内外の友人、知人の協力を得て12日までに計44回行ってきた。(崎山正美通信員)

 昨年12月22日の開催時には約200人が来場。那覇市で食事宅配を手がける「積徳商事」がカップケーキ、「居酒屋ヤミー」が丸焼きチキン、豊見城市で解体業を営む「雄工業」が米50キロ、二丁目食堂はチキン弁当200個を提供した。

 また、琉球ドラゴンプロレスリング所属のウルトラソーキさん(26)が飲み物を持って登場し、集まった子どもたちはヒーローを目の前に大喜びした。同プロレスリングは昨年糸満市で興業を行っており、今年も開催を計画。収益の一部を食材費として寄付したいと話している。

 年が明けての1月12日は今年初めてということもあり、餅つき大会も実施。約150人の子どもが集まった。慣れない手つきできねを振り下ろし、つきたての餅をみんなで味わった。

 子ども食堂にはこれまでも市の「パオン」や「スポーツバー3」が米、北海道の「アントワーカー」が骨付きカルビ、「敷島ファーム」がメンチカツ、「これがジンギスカン」から米の提供があった。近隣の市民からも差し入れがあり、市社会福祉協議会の職員らが交通整理などで協力している。

 喜友名さんは「食堂に来る子どもたちが感謝する心を忘れず、優しい大人になってくれたらうれしい。2月で開始1周年となるので記念イベントを計画している」と話した。