[意外と知らない「有事」の話](4)

 「日本もいいかげんに気付けよ。台湾が第2のウクライナになったら、中国は沖縄を攻めに来るぞ。そしてそうなったら、すぐに東京だぞ」

 昨年9月、テレビ東京系で放送されたバラエティー番組で、司会がまくし立てた。おどろおどろしいナレーションや視覚効果。登場した在沖米海兵隊の元政務外交部次長、ロバート・エルドリッジ氏は、中国が台湾を武力侵攻する台湾有事が「今年11月から来年1月までの間に発生すると考えています」と述べた。

 11月の米中間選挙で下院とのねじれ状態が生じてバイデン政権が不安定化すること、年明けにかけて「感謝祭もあり、クリスマスもあり」「基地内の日本人もお正月の休みがある」ため在日米軍基地が手薄になることを根拠に挙げた。

 番組はタイトル自体が「ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説」という名だ。それでも、...