沖縄福祉保育専門学校と沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)が、情報通信技術(ICT)を活用した介護分野の新たな教材開発に取り組んでいる。パソコン画面に映し出された介護現場の写真を学生に見せ、視線の動きを自動計測。高齢者が転倒しやすい場面など、危険性をチェックできているか繰り返し確認することで事故を未然に防ぐ力を身に付けたい考えだ。(社会部・下里潤)

 文部科学省から委託された先端技術活用実証研究の一環。従来の教育では、指導者が介護現場で注意を払う必要のある場面を写真などで説明していたが、学生が確実に観察できているか確証が持てないという課題があった。視線の動きを測定する「アイトラッキング」の技術を使えば、学生がどこを、どれくらいの時間見ているかデータで把握でき、より効果的な指導が可能になる。

 ベテランの介護士は経験上、車いすが転倒しやすい場面など、危険予測にたけている点に着目。学生とベテランが見ている場所や時間を比較することで、経験が浅くても「ヒヤリハット」...