3度目の全国制覇へ-。27日、第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕)の出場が決まった沖縄尚学の選手らは、待ちに待った吉報に喜びをかみしめた。昨秋の九州大会で優勝して選抜出場は確実視され、甲子園を想定した練習に取り組んできた。正式決定で一層、気を引き締めた表情の選手らは「全国制覇を目指す」と力強く声をそろえた。(平良吉弥)
沖尚は昨年10月の秋季九州大会で全4試合2桁安打の計48安打と打線が爆発。初戦で鳥栖(佐賀)を8-2で下し、準々決勝では明豊(大分)を3-2で、準決勝では海星(長崎)を7-6で、2試合連続サヨナラ勝ちを収めた。決勝では長崎日大に3点を先行されるも8-5で逆転勝ちして勝負強さを見せつけた。
九州を制して昨年11月には明治神宮大会に九州地区代表で出場。初戦の準々決勝で昨夏の甲子園を制したメンバーが数多く残る仙台育英に4-5で九回裏サヨナラ負けしたが、八回まで4-0でリードするなど互角の戦いを繰り広げた。
出場校発表の日を迎え、同校では比嘉公也監督や選手、保護者ら約70人が講堂に集まり、大型スクリーンで選考委員会の様子を見守った。校名が発表されると、選手たちはクラッカーを鳴らして喜びを分かち合った。
佐野春斗主将は「憧れの舞台だったので素直にうれしい」と表情を緩めた。しかし、仙台育英戦を振り返ると再び気を引き締め「守りのミスが負けにつながった。甲子園では守りからリズムをつくる沖尚野球を見せたい。目標は優勝」と力を込めた。
140キロ台の直球が武器のエース、東恩納蒼も仙台育英戦後の反省をもとに直球の質を上げ、スライダーの回転数を増やす練習を積んできた。「一球の重みを実感した。甲子園は昔から夢だったので、自分の力を発揮して一生懸命戦っていきたい」と活躍を期した。
九州大会で7割以上の高打率を記録した先頭打者の知花慎之助は「全国に比べてもまだまだ体が細い。筋力を付け、体幹を鍛えてスイングスピードを上げて、もっと強い打球を飛ばせるようにしたい」と述べ、選抜までの練習強化に意欲を示した。
選考委員会から発表された選考理由は次の通り。
沖縄尚学は九州大会では投打に安定した力を発揮して優勝した。決勝までの4試合全てで2桁安打で打率3割8分4厘、失策2と攻守のバランスも良く取れている。...