若いころのようにぐっすり眠った、ということがほとんどないという人も多いと思います。しかし眠りは年齢を重ねるごとに浅くなり、目を覚ましやすくなります。このために寝つきが悪い、途中で何回も目が覚めた、目が覚めた後に寝つくのに時間がかかる、など眠りに不満がある人は多いでしょう。枕や寝具を買い替えたり、眠りをよくするサプリメントをとるなどは悪いことではありませんが、昔の自分のような眠りを完全にとり戻すことはできません。

 大人の眠りは浅くてもきちんと役割を果たしています。頭と体を休ませて、昼間の仕事や活動などを普通に行うことができています。ただし、強い眠気、仕事の能率が落ちるなどの症状が続くようであれば、睡眠の病気があるかもしれません。

 しかし、病気だと思う前に、自分で眠りを浅くしてしまうことをしていないかを考えましょう。眠りを邪魔することがいっぱいあります。まず初めにカフェインです。目を覚ます作用はよく知られていますが、8時間は効果が持続するので、敏感な人は夕方からは飲まないこと。カフェインはコーヒーだけではなく、ココアや紅茶、緑茶、量は少ないですが麦茶以外の茶とつく飲み物には入っています。

 次はお酒です。寝つきはよくなりますが、時間がたつと目を覚ます作用がある物質になります。お酒を飲んだ後、しばらくして目を覚まし、眠れなくなった人も多いと思います。結局その晩の眠りが浅くなることも知られています。毎日飲酒している人で眠れていれば問題ありませんが、眠りが気になる人には寝酒はお勧めしません。

 最後に光です。朝太陽の光を浴びると体の時計が「朝」と理解して体をリセットします。夜強い光を浴びると「朝」と勘違いしてしまい、眠れなくなってしまいます。テレビやパソコン、スマートフォンなどは太陽に近い強い光を持っているため、夜遅くや寝る前に使わないことです。テレビをつけっぱなしにして寝てもいけません。

 眠りは人生の3分の1を占めます。皆眠りを経験していますが、人によって眠りは同じではありません。毎日ぐっすり眠れる人は少数で、かなりの人が多かれ少なかれ眠りには不満を持っています。

 「良い眠り」も人によってとらえ方が違います。不満は残るかもしれませんが、ほかの人に左右されず、自分なりの「良い眠り」を探しましょう。いろいろ試しても眠りの問題が続く場合は専門医に相談することをお勧めします。(山城義広・嬉野が丘サマリヤ人病院)