社説

社説[MICE要請]事業推進へ共通認識を

2017年7月12日 07:52

 中城湾港マリンタウン地区に建設する大型MICE(マイス)施設の整備計画が、ここにきて足踏みしている。

 県は2020年度のオープンをめざし、本年度、一括交付金を活用して基本設計、実施設計を進める計画だ。

 すでに業者選定も終えているが、事業の採算性などについて内閣府から見通しの甘さを指摘され、いまだに一括交付金の交付めどがついていない。

 現状を打開するため、翁長雄志知事は11日から、古堅國男与那原町長、上間明西原町長らとともに、MICEの早期着工に向け、政府・与党などへの要請行動を始めた。

 国が事業の採算性に神経をとがらせるのは、一括交付金を交付する立場上、当然である。古くはモノレールを開業する際にも、採算をめぐって国と県の間で厳しいやりとりがあった。

 県は今回、内閣府の指摘を受け、MICEの運営企画会社や旅行社など12社を対象に新たに需要調査を実施し、目標値を修正した。

 県の当初の推計では、開業13年目に黒字になることを見込んでいた。再調査の結果、参加者千人以上の大型案件の開催件数、参加者数とも目標値が県の当初推計を上回り、黒字になる時期を開業6年目に修正した。

 今、大切なことは、国と県が大型MICEの必要性について共通認識を持つこと。その上に立って、国と県の間で採算性の問題を1日も早く詰めることだ。政府には、事業計画に支障がないよう対応を急いでもらいたい。

■    ■

 MICEは、多くの集客・交流が見込まれるビジネスイベントの総称で、企業などの会議、研修旅行、国際機関・団体による学術会議、展示会、見本市、文化スポーツ行事などを予定している。

 イベントについては、大型コンサートなど2万人規模の

イベントを誘致ターゲットにしているという。

 展示スペースは約4万平方メートル。施設をつくるだけではMICEは機能しない。大型MICE建設に伴う懸念や課題は、早い段階から指摘されていた。

 例えば、周辺に大型宿泊施設がなく、商業・娯楽施設の集積に乏しい。那覇空港からの交通アクセスも難点である。交通網の整備は急務だ。

 MICE建設によってイベント誘致業、通訳業、会場設営業など、実に多岐にわたる需要が発生するが、これらを担う人材をどう育て、確保するか。開業までに取り組むべき課題は山積している。

■    ■

 県は5月、21世紀ビジョン基本計画を見直し、MICEを「沖縄経済成長のプラットフォーム(ソフトインフラ)」として新たに位置づけた

 それだけ県経済に与える波及効果が大きいということにほかならない。失敗の許されない大型プロジェクトである。県と市町村、経済界が一体となって取り組むのでなければ成功はおぼつかない。

 国際イベントの誘致に成功し、そのイベントが定着すれば、沖縄のブランド力は格段に高まる。県はもっと気運づくりに力を入れるべきだ。

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