「あの晩は東京も、えろう暑かったっちゅうからのう」  自分の部屋があるのは四階なのに、どうして最上階の六階まで階段を上がっていったりしたのか。そこだけ考えれば彼に死ぬつもりがあったかのようだが、千秋(ちあき)にはどうしてもそう思えなかった。