来春に卒業予定の大学生の就職活動は、1日の会社説明会の解禁で、本格的に始まった。経済ニュースで、合同説明会に並ぶ真剣なまなざしをいくつも目にする

 ▼これまで企業説明会は3年生の12月からだったが、3カ月後ずれした。長い社会人生活のスタートを切る大事な企業選びだけに、短期決戦に焦る学生も多かろう

 ▼超氷河期の時代に難渋したからか、いまの学生は少しうらやましくもある。景気回復や人手不足があり、人材確保に焦っている企業もある。例年にない「追い風」である

 ▼とはいえ、思い入れが深い会社に断られ、気が沈む時も来よう。第一希望でなくても、経営者に強く請われて戸惑うことだってある。この期間、志望する会社の先輩や経営者らと対話を重ね、自分なりに納得できる就職先を探し出してほしい

 ▼自分に向いている企業は、業種は…。悩んでも正直、働いてみないと分からないことも多い。経済環境や消費者ニーズが変わっていけば、会社経営も影響を受ける。現在、好業績でも、かっこよく映っていても、長く続くとは限らない

 ▼社会、経済は変化していく。どう変わっても、どんな人生を送るかは、それぞれの考え方次第である。自分のいまと先を見つめ、努力することを忘れないで。と書いて反省しきりだが、学生へのエールとしたい。(宮城栄作)