沖縄県糸満市西方沖のルカン礁で起きた遭難事故で、本島のレジャー関係者からは、出港判断を疑問視する声も出ている。
本島中部でダイビングショップを経営して15年以上になるマリンレジャー業者は「ルカン礁は水深が深く、潮の流れが相当速い。何かあったら取り返しがつかず、自分なら出港はためらっただろう」。本島南部のマリンレジャー業者も「船の大きさによって波や風の影響は異なる」としつつ、「昨日、今日と南側の海はしけて最悪のコンディション。私たちにはリーフの外に出る判断はできなかった」と語った。
糸満市西崎町のビーチでシュノーケリングやジェットスキーの体験メニューを提供している業者の関係者は「主にリーフ内のサービスだが、今日は波が高くシュノーケリングは中止した」とし、「今回は事故が起きやすい状況下だったのでは」と推測した。
与那国島のダイビングショップでインストラクターを務める真謝正太朗さん(36)は、船長がダイバーを見失いにくい手法を推奨する。与那国島ではダイバーがロープを握ってブイと一緒に泳ぎ、船長はブイを目印に追いかけるのが一般的という。「ダイバーが吐いた泡だけを頼りにしているケースもあり、それだと波で見失いかねない。ダイバーが固まって行動することも大事」と指摘した。
(南部報道部・国吉聡志、榮門琴音、社会部・比嘉海人)