米海兵隊のメールに掲載された嘉手納基地内のため池の様子。上限近くまでたまっていることが見て取れる(米情報公開法で入手)
米海兵隊のメールに掲載された嘉手納基地内のため池の様子。上限近くまでたまっていることが見て取れる(米情報公開法で入手)

嘉手納基地ため池にPFAS汚染水 国の指針1000倍に流出懸念 沖縄

2023年7月18日 8:12
社会・くらし

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】沖縄県、米軍嘉手納基地内のため池に、有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)で汚染された7万6千リットルの水が保管されていることが分かった。濃度は1リットル当たり最大5万ナノグラムで、国の暫定指針値の千倍に上る。青森県の三沢基地に、同様に汚染された19万リットルの水を保管するため池があることも判明した。

 本紙が米情報公開法で入手した嘉手納基地内の写真を見ると、植物に囲まれたため池は上限近くまで汚染水がたまっている。大雨が降った場合、汚染水があふれ、周囲に流れ出すことが懸念される。

 こうした保管状況は、キャンプ瑞慶覧の環境担当部署が2019年11月に送った電子メールで明らかになった。海兵隊が汚染水の浄化を検討していることも記されている。

 同様の浄化技術は21年8月、海兵隊が普天間飛行場のPFAS汚染水を民間下水道に放出する前にも使われた。宜野湾市のサンプル調査では指針値を大幅に上回る670ナノグラムが検出されており、浄化技術が確立されているとは言えない状況だ。

 本紙は実際に浄化を試行したかどうかや、現在の保管状況について在日米軍に問い合わせたが、17日現在回答はない。

関連ニュース

国内法で使用禁止される化学物質を検出 沖縄の基地周辺15地点の地下水調査で DDTなど15項目

「アメリカファースト」が過ぎる…水の汚染問題から見える米軍基地の闇

「黙っていられない」ハワイの市水道局長、抗議デモの先頭に PFAS漏れで飲み水汚染の米軍基地、閉鎖へ