【ジョン・ミッチェル特約通信員】沖縄県、米軍嘉手納基地内のため池に、有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)で汚染された7万6千リットルの水が保管されていることが分かった。濃度は1リットル当たり最大5万ナノグラムで、国の暫定指針値の千倍に上る。青森県の三沢基地に、同様に汚染された19万リットルの水を保管するため池があることも判明した。
本紙が米情報公開法で入手した嘉手納基地内の写真を見ると、植物に囲まれたため池は上限近くまで汚染水がたまっている。大雨が降った場合、汚染水があふれ、周囲に流れ出すことが懸念される。
こうした保管状況は、キャンプ瑞慶覧の環境担当部署が2019年11月に送った電子メールで明らかになった。海兵隊が汚染水の浄化を検討していることも記されている。
同様の浄化技術は21年8月、海兵隊が普天間飛行場のPFAS汚染水を民間下水道に放出する前にも使われた。宜野湾市のサンプル調査では指針値を大幅に上回る670ナノグラムが検出されており、浄化技術が確立されているとは言えない状況だ。
本紙は実際に浄化を試行したかどうかや、現在の保管状況について在日米軍に問い合わせたが、17日現在回答はない。