学校のトイレに生理用品の設置を求めて活動する「生理の貧困を考える会おきなわ」(與儀育子代表)が9日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで、「OMOIYARIフェス-親子で知ろう学ぼう性について」と題したイベントを開いた。生理と性に関する正しい情報を伝えようと企画され、県内外で活動する3人が講話。若年妊産婦の課題や、快適な生理期間を過ごすヒントが紹介された。性教育もあり、子どもたちは自身の体への理解を深めた。(学芸部・嘉数よしの)

 10代で出産した母親を支える一般社団法人あるの棚原喜美枝代表理事は、若年妊娠・出産の背景にある課題と活動内容を紹介した。特に14~15歳の若さで子どもを産む女性は、不登校や中卒の場合が多く、親の離婚や虐待、家族の精神疾患など幼い頃に「逆境体験」があったケースが少なくないという。

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 頼れる家族の不在や、実家に「労働力」として取り込まれるなどさまざまなハンディを背負い、10代で妊娠を繰り返す傾向もある。

 母親たちが集う「10代ママくらぶ」は、母親同士のやりとりを大切にしているという。「悩みを話し合う中で他者との違いに気付くことができる」と棚原さん。そこから母親たちは「内面を語るようになり、個別のニーズが見えてくる」と話した。

 安定した生活を送れるようになるまで息の長い支援が必要だが、「彼女たちは生きるたくましさがある。社会の仕組みが変わればどの子も輝く」と強調した。

 思春期保健相談士で、沖縄性教育コミュニティKPTASの和田なほ代表は、小学生向けに心と体の性について解説した。性器や胸などの「プライベートパーツ」は、「自分では好きな時に(人の目に触れないように)見て、触っていいけれど、自分を守るために外では触らない」と伝えた。

 自身の体を「誰がいつどんなふうに見ていいか、触っていいかは、全部自分で決めていい」一方で、裸や下着姿の写真や動画は「撮らない、人に送らない」ことも強調した。

 嫌なことや怖い目に遭いそうになったら、「やらないでほしい」と訴える大切さも説明。ただ、「言えなくてもあなたは悪くない」と念を押し、「その場所から離れて頼れる人に話して」と促した。

 子どもから大人の体に変化する過程も示し、「射精ができる、月経が来たということは、健康に成長しているということ。体のことで心配や困ったことがあれば、大人に相談しよう」と呼びかけた。

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 フェムテックジャパンの野口俊英代表は、ポリマー(高分子吸収材)を含まない、肌当たりのいいナプキンがあることを紹介。ユーザーからは「ナプキンを使っていることを忘れてしまうような爽快さがある」「(ポリマーを使ったものより)かぶれやムレがなくなった」と好評という。

 「誰もが快適な生理期間を送れるよう、ナプキンも選択できることを知ってもらえたら」と語った。

 また、ポリマーを使っていないナプキンを学校に設置するサポートをしていることも紹介した。