沖縄振興開発金融公庫と沖縄銀行は27日、OIST発のスタートアップ企業「Shima&Co.」に計6千万円の協調融資をしたと発表した。同社は、高い水溶性を維持したまま粉末状のサプリメントを固形化する世界初の技術「シードテクノロジー」を活用。オリジナルのプロテインラムネ2種類=写真=を販売している。プロテイン市場のシェア獲得や粉ミルク、製薬などにも応用できると成長性を評価された。
同社は健康食品などの開発会社として2011年5月に恩納村で設立。共同創業者でもあるザック・ベル博士が4年かけ「シードテクノロジー」を開発した。
新技術は、タンパク質などのミクロ栄養素と、ビタミンやミネラルなどのマイクロ栄養素を合体させて固形化するが、水に入れると発泡して簡単に溶けるのが特徴。技術とその技術を活用した商品の製造方法を日米で特許申請中という。
同社の調査によると粉末プロテインの溶けにくさに不満を感じる人は6割に上る。こうした声を踏まえ、砂糖や乳製品、グルテンを使わず、高タンパクで低糖質・低炭水化物の手軽なプロテインラムネ「Shima Okinawa」を開発し、6月から同社のECサイトで販売している。
融資は、商品ラインアップの増加やプロモーション費用などに充てる考え。リウボウ商事のマーケティング支援などを受けながら、国内市場約2600億円のうち、3~5%の獲得を目指す。現在は県外の菓子メーカーに製造を委託しているが、将来は県内での製造も見据える。山本静香ジェニファー社長は「『島とともにコミュニティーをつくっていく』ことを大事にしている。県内素材を生かした商品開発などを進めていきたい」と話した。「Shima&Co.」のサイトはこちらから。
(政経部・川野百合子)