「脅威」には違いないが、その切迫感をどうみたらいいのか。北朝鮮のミサイル開発は、内実がベールに包まれていて、なんとも割り切れない

▼朝鮮戦争の休戦協定調印から64年となる27日は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が発射されるのでは、という観測があったが、動きは確認されなかった。2012年と16年にミサイルが上空を通過した沖縄にとって、在日米軍基地も標的とされる中、いやがうえにも不安が募る

▼最近、軍事情報の分析にも携わった経験がある元自衛隊幹部の話を聞いた。この幹部いわく「北朝鮮が日本にいきなりミサイルを撃つことは200%ない」と断言する

▼もともと同じ国だと思っている韓国への攻撃は「国内問題」だが、日本に撃てば「国際問題」になり、自らの国家体制の崩壊につながるからだという

▼ただ、ミサイルの精度を上げるため、いずれ日本列島を超えて発射実験に踏み切ると予測。その際、何らかの不具合で日本に落下する危険性があり、その文脈で国民保護が必要になると指摘した

▼体制保証を求める北朝鮮にとって、ミサイル発射の挑発行為も「交渉」の一環なのだろう。であれば、なおさら関係する6カ国の対話の力が問われる。独裁国家の動向は軽視できないが、それに乗じて危機をあおる安全保障論議もいただけない。(西江昭吾)