0歳児の平均余命を示す平均寿命という言葉はよく聞かれると思います。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを言います。

 平均寿命と健康寿命の差は、日常生活に制限のある要介護状態にある期間を意味します。

 2013年には、男性の健康寿命が71・19歳、平均寿命が80・21歳、女性の健康寿命が74・21歳、平均寿命が86・61歳となっています。つまり男性は9・02年、女性は12・4年も、要介護状態にあることになります。

 要介護状態と聞いてすぐに思い浮かべるのは、いわゆる寝たきり状態や認知症ではないかと思います。

 認知症とは、さまざまな原因で脳の重要な機能である認知機能が低下し、日常生活、社会生活に支障をきたすようになった状態のことで、記憶障害が中心となることが多く、物忘れで気付かれることが一般的です。

 全ての認知症予防に関して、残念ながら十分に効果的な方法がないことも事実です。しかし、血管性認知症の危険因子が、生活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂血症)であることはご存じだと思います。

 特に糖尿病はアルツハイマー病の危険因子であることも分かっています。

 認知症、脳血管障害が、意欲の低下、社会とのかかわりの減少を招き、要介護状態へのさらなる悪循環を生むことがあります。生活習慣病の予防、治療は、健康寿命を延ばす重要で有効な対策と言えます。

 60歳で退職すると、65歳まで仕事を続ける場合と比較して、認知症発症の危険性が15%も高くなるという興味深い報告があります。

 認知機能低下の始まりを遅らせるものとして認知予備力(認知予備能)という考えがあり、社会活動参加、運動、食事などが認知予備力を高めるのに大切だと考えられています。

 健康21(第1次)(「21世紀における第2次国民健康づくり運動」)で、13年から健康寿命を10年後に1歳以上延ばすことを目標に掲げ、対策が行われています。

 食事、運動等の生活習慣の改善、さらに心の健康を推進し、生活の質の向上を図り、自立した生活が長く送れることを目指しています。

 高齢になってからではなく、若い頃からのライフスタイルこそが、大切だと思います。今日できることから始めませんか。一人一人の力で、健康長寿の島「おきなわ」を取り戻しましょう。(金城博 博愛病院)