【北海道総体取材班】全国高校総合体育大会「北海道総体」第11日は2日、北海道で6競技が行われ、県勢は4競技に出場した。陸上男子400メートルの平川慧(コザ3年)は46秒63の県高校記録を出し、全国総体の短距離男子で県勢初の優勝に輝いた。

陸上競技
(札幌厚別公園競技場)
 
【男子】
 ▽400メートル予選
 「4組」(6)安永颯(球陽)49秒20=落選
 「6組」(1)平川慧(コザ)48秒06=準決勝進出

 ▽同準決勝
 「1組」(2)平川慧(コザ)47秒21=決勝進出

 ▽同決勝 (1)平川慧(コザ)46秒63

 陸上の男子400メートル決勝で平川慧(コザ)は高校最後の全国総体を圧巻のレースで優勝した。スタートからぐんぐんと加速をつけ、直線でさらに引き離す。得意とする300メートルまでに2位以下を引き離し、最後の直線でもスピードを落とさずに独走のままゴールした。掲示板に表示された46秒63の好タイムにスタンドはどよめいた。

 200メートルの自己ベストは21秒05、300メートルは32秒台で走る平川。実力はありながらもなかなか超えられなかった400メートル46秒台の壁を大舞台で大幅に突破することに成功した。

 準決勝を終えた時点で46秒台と優勝の手応えはあった。だが自信はありつつも決勝直前まで不安や恐怖は拭えなかった。その思いを断ち切るかのように序盤から飛ばし、最後まで耐えて駆け抜けた。ゴール後しばらくは一人で歩けないほど疲れ果て、数分間はあおむけになって重圧から解放された安心感に包まれた。

 大学に進んでも競技を続け日本代表、そして五輪を目指す。「最後の全国総体で目標を達成できたことは競技人生で最も大きな収穫となり、目標に近づく一歩だったと思う」と達成感をにじませた。5日には200メートルに出場し、県記録を塗り替える20秒台に挑む。平川の集大成はまだ終わっていない。(溝井洋輔)