年々開いていく二つの曲線に驚いた。東京都と沖縄県の最低賃金の推移を折れ線グラフにしてみたときのことだ。今、その差はさらに開こうとしている

▼中央最低賃金審議会(中賃)が27日、本年度の地域別引き上げ額の目安を厚生労働相に答申した。東京などのAランク地区が26円、沖縄などのDランク地区が22円。仮に目安額で改定されれば東京は958円、沖縄は736円となり、差額は222円で過去最大になる

▼「最低賃金(の仕組み)が東京一極集中を誘引する要因にならないか」。Cランクの福井県、西川一誠知事はそう問題提起した。地域格差を生む仕組みと指摘されるのがランク付けだ

▼各都道府県を経済実態に応じてA~Dに振り分ける。ちなみに沖縄は復帰後ずっとDランク。ランクは19の経済指標を基に決められる。給与や生産性など企業の支払い能力に関するものが多く、物価など労働者の生計費に関する指標は少ない。物価が高く、賃金が安い沖縄は構造的に下位のランクにとどまっている

▼仮に736円で週40時間働いても月給は13万円足らず。果たして最低賃金法がうたう「労働者の生活の安定」はかなうだろうか

▼中賃が示した額はあくまで目安で、沖縄地方審議会の検討はこれから。「労働者ファースト」の思い切った議論と決断を期待したい。(高崎園子)