沖縄や奄美などでこのほど、「短肢系ホラヒメグモ類」に属する新種のクモ5種類が発見された。東京都立大学のフランチェスコ・バラリン特任助教と江口克之准教授による発見で、研究論文は11日付の国際学術雑誌「ZooKeys」に掲載された。

 発見されたのは、与那国島でドナンホラヒメグモ、石垣島でカクレホラヒメグモ、屋久島でヤマコホラヒメグモ、宮古島でツヅピスキホラヒメグモ、沖永良部島でカイケンホラヒメグモ。全て琉球列島固有種となる。

 また、これまで日本産の短肢系ホラヒメグモ類は3種とされていたが、DNAの解析などの研究の結果、9種類が識別できることが分かったという。

 新種のうち3種類は洞窟の最深部のみに生息し、目や体色が喪失するなどの洞窟に適応した形態変化が見られる。

 それらの種を洞窟外の近縁種と比較することで、適応進化のプロセスに関する知見が得られる可能性があるという。

 江口准教授は「限られた場所にしか生息しない生物は絶滅の可能性も高く、環境の保全も重要だ」と指摘した。  (社会部・普久原茜)