うるま市の小川蘭さん(40)が小児がんの県内支援団体を立ち上げ、レモネードの売り上げを研究機関などに寄付する活動に取り組んでいる。昨年3月に小児がんで10歳の生涯を閉じた次女いろはさんの元気だった姿を胸に、「研究が進むことで一人でも多くの子どもが助かってほしい」と願う。(社会部・下里潤)
同活動は「レモネードスタンド」と呼ばれ、米国で広がった社会貢献活動の一つ。小児がんと闘っていた少女が自分と同じように病気で苦しんでいる子どもたちのため、治療の研究費を寄付したいと自宅の庭にレモネードスタンドを開いたことがきっかけだ。
小川さんは1本200円でレモネードを販売。地域の祭りなどに出店する他、交流サイト(SNS)で賛同者に呼びかけ、小売店やトレーニングジム、サロンなどで販売している。材料費などを除いた全額を、小児がん治療を開発する全国組織「日本小児がん研究グループ」(JCCG)に寄付する。
志を同じくする全国のメンバーともつながり、ちらしのデザインはイラストレーターの326(ミツル)さんが手がけた。8月中旬から活動を始め、半月で約10万円の寄付が集まったという。
活動のきっかけは、まな娘の闘病だ。いろはさんは2021年9月、大好きだったアイススケートの練習中にふらついたことから病院を受診。脳に腫瘍が見つかり、そのまま緊急入院し、医師から余命半年と宣告された。数日前まで元気に過ごしていただけに、あまりにも突然の出来事だった。
有効な治療法は見当たらず、「きょう一日だけでも何とか生きてほしい」と願う日々。米国の医療機関に問い合わせたこともあったが病状は回復せず、半年後に帰らぬ人となった。
小川さんは「小児がんの研究はまだまだ進んでいないのが現状。1杯でも多くのレモネードが飲まれ、難病が難病でなくなる日が来てほしい」と語った。闘病中の子どもだけでなく、親の支援にも寄り添いたい考えだ。
寄付の問い合わせは小川さん、電話090(9133)8912。小川さんのSNSはこちらから https://www.instagram.com/168lemonade_stand/?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==