沖縄県糸満市西崎の海辺で8月22日、帆掛けサバニの愛好者でつくる「ニヌハクラブ」代表の仲村忠明さん(74)らが、所有する木造サバニ3艘(そう)の側面に塗るサバアンダ(サメの肝油)を作った。かつて木造サバニが漁船として活躍していた頃、海人は舟板の保護材としてサバアンダを塗っていた。アンダ作りには仲村さんのほか、同クラブの黒崎薫さん(41)、内堀浩子さん(41)が参加。サメの肝臓を細切りにして2~3時間鍋で煮詰め、油を抽出した。
仲村さんは「保護材にサバアンダを使用して約5年。市販の保護剤に比べ木材へのなじみが良い。サメの種類によってにおいが異なり、イタチザメはにおいがきつくない」と話す。
東京から移住した黒崎さんと八重瀬町に住む内堀さんは、沖縄の海と職人が作るサバニに魅せられている。黒崎さんは「サバニをこいで海風を切る時の快感は他の海上スポーツでは得られない。昔ながらの手法で手入れしており、手仕事の楽しさを味わっている」と目を輝かせていた。(崎山正美通信員)