旧京都帝国大(現京都大)の研究者らが沖縄県今帰仁村の百按司墓(むむじゃなばか)から研究目的で持ち出した遺骨の返還を第一尚氏の子孫らが京大に求めた訴訟で、訴えを退けた一審判決を支持した大阪高裁判決が10日までに確定した。期限の6日までに原告側、京大側がいずれも上告しなかった。原告側は高裁判決が「遺骨はふるさとに帰すべきだ」などと付言したことを踏まえ「解決の道を開く大きな効果がある」と評価する声明を発表した。

 9月の高裁判決は、研究者らの行為に違法性はないなどと原告側の訴えを退ける一方、返還は世界の...