病気や災害で親を亡くした子どもたちの進学を支援する「あしなが育英会」の高校奨学金で、2023年度の沖縄県内の申請者数が前年度の36人から55人と1・5倍に増えた。全額給付型に移行したことが主な要因で、資金不足のため半数以上となる29人が不採用となった。同会は「一人でも多くの遺児に奨学金を届けたい」と、寄付の呼びかけに力を入れている。(社会部・垣花きらら)
同会によると、高校奨学金制度はこれまで貸与と給付を組み合わせた「貸与・給付一体型」だったが、アンケートで要望の高かった全額給付型に本年度から移行した。これに伴い、全国の申請者数も2629人と過去最多となった半面、1461人が選考で漏れた。
同会によると、返済が不安で借り控えしていた層が新規で申請してきたためという。新型コロナや物価高で、生活が苦しくなっていることも影響したようだ。
同会は毎年春と秋に全国で街頭募金活動を展開している。今秋は「一人でも多くの遺児に奨学金を届けよう!」を合言葉に、約2千人の中高生や社会人ボランティアが支援を呼びかける予定だ。
県内では今月28、29の両日、国際通りのれん街前では正午~午後6時、北谷町のミハマ7プレックス前では正午~午後5時に実施する。
同会九州沖縄担当の島田北斗さんは「沖縄でも困窮する遺児の学びを支えようと、学生らが全力で準備を進めている。支援の輪を広げたい」と協力を訴えている。
同会は病気や災害、自死の遺児のほか、障がいなどで親が働けない家庭の子どもに奨学金を出している。
随時、寄付を受け付けており、詳細はこちらから。問い合わせは電話03(3221)0888。