嫌みっぽい会社の先輩 どう向き合えばいい?
【相談者】スノーマン(43歳女性、会社員、沖縄本島南部)
2023年10月20日 5:15
会社で重要な取引先を任せられるようになり、仕事自体は楽しくやりがいもあるのですが、会社の先輩に、嫌みが多く、他人のあら探しばかりしている40代後半の男性がいます。頭の回転が速い、いわゆるデキる人で会社に欠かせない存在ですが、正直一緒にいると気持ちが沈みます。一度上司に何げなく注意してもらいましたが、一向に変わりません。それほど大きな会社ではないので、チーム業務の場合は関わらざるを得ず、常にエネルギーを吸い取られているような感覚です。この会社でしばらくはキャリアを積みたいと考えていますが、この先輩にどう向き合えばいいでしょうか。
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大城勝太エフエム沖縄アナウンサー・ディレクター
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大城勝太エフエム沖縄アナウンサー・ディレクター
「Fine!」(毎週月―金 午前7時30分~10時30分OA)のディレクターと月・火のパーソナリティ。前身の番組を含めて朝の番組を約20年担当。信条は「気づき」と「学び」で人はなりたい自分になれる。社会人になってから学んだ心理カウンリングやキャリアコンサルティングの知識を活かし、職場におけるメンタルヘルス対策やキャリア形成のサポートに繋がる情報を発信している。趣味は食べ歩き。昔から愛された大衆食堂が姿を消しつつある昨今の状況を憂う1人。
スノーマンさん、はじめまして! 私も最近大事な仕事を任せられることが増え、仕事の本当の楽しさを実感している43歳の男性です。
充実感を持って楽しく仕事ができているという実感がある故に、先輩の嫌味やあら探しがなければ、もっと自分の仕事がより良いものになるのに・・・と余計なストレスになっているのではないかと感じました。
私がカウンセリングや職場のメンタルヘルスの現場を取材してきた経験からすると、嫌味が多く、他人のあら探しばかりしている人の特徴として、コンプレックス(劣等感)が強いという傾向があります。
■あら探しをアドバイスに、認識を修正
あら探しをして誰かのできていないところを指摘することで、自分自身の劣等感を覆い隠し、優越感を覚える。そうすることで自分の心理的な安全性を保とうとしているのです。
スノーマンさんは「頭の回転が速い、いわゆるデキる人で会社に欠かせない存在」とその先輩男性を評価していますが、実は本人は自分自身に対し肯定的な評価をしていない可能性が高いのではないかと感じました。
いずれにしても彼の自己肯定感はかなり低めな状況であることは確かでしょう。それ故に、充実感を持って楽しそうに仕事に取り組むスノーマンさんをうらやましく感じているのだと思います。いや、重要な取引先を任されるスノーマンさんに、追い抜かれるのではないかという恐怖さえ感じているかもしれません。そうなると、嫌味やあら探しはさらにエスカレートすることでしょう。
スノーマンさんはそれなりに社会人経験があるでしょうから、自分が置かれている状況にある程度気付かれていらっしゃるのだと思います。だからこそ上司に相談するという行動に出た。
ただ、他人を変えるというのは難しいものです。徒労に終わることが多く、正直余計にストレスがかかることが多いものです。なので、いまスノーマンさんには状況の捉え方を変えてみることをお勧めします。
すでに「嫌味やあら探しをスルーする」ということはなさっていると思います。では次にできることは何か? いろいろありますが、嫌味やあら探しを「アドバイス」というふうに認識を修正してみてはいかがでしょうか?
これはうつ病の治療などでも用いられる認知行動療法の一つで「認知の修正」といわれるテクニックです。先輩の嫌味やあら探しに特徴や傾向はありませんか? それらを徹底的に洗い出してみてください。そして、先回りして手を打ち、先輩に嫌味を言わせない、あら探しをさせないのです。
■「困った人」は「困っている人」
まぁ、それこそ「嫌味のつけようがないじゃないか!」と言うかもしれませんが、そこまで言わせたらスノーマンさん、あなたの勝利です。そして、今よりもより良い成果を出すことができるでしょう。嫌味やあら探しがアドバイスに変化した瞬間です。
そして同時に、その嫌味な先輩以外の同僚と普段からしっかりとした信頼関係をつくりましょう。そうすると周りの誰かが「スノーマンさんにそんなこと言ってる暇ないでしょう? 自分はできてるの?」とたしなめてくれるかもしれません。
「変わらないといけないのは自分じゃない、先輩だと思います!」「なぜ自分が認識を変えないといけないのですか?」とスノーマンさんは言うかもしれません。
でも私の経験上、組織において“困った”人は、実は本人自身が“困っている”人のことが多いのです。
そう、実は先輩自身が劣等感や日々襲ってくる不安に困り果てて、そのストレスが「嫌味やあら探し」といった形でしか解消されていない可能性が高いと思います。
そう考えると、嫌味なあら探し先輩に対する見方も変わってきて、スノーマンさんの気持ちにゆとりが出てこないでしょうか? そんな気持ちのゆとりが先輩に伝われば「こいつには勝てない」と嫌味やあら探しをやめるかもしれません。
少し時間はかかるかもしれませんが、嫌味やあら探しを言われたら「“困った”人は実は“困っている”人」と心の中でつぶやくところから始めてみませんか?
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