八重瀬町富盛区で21年ぶりに上演された組踊「伏山敵討」。あだ討ちの山場では観客が引き込まれていた=1日
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八月十五夜 芸能に沸く本島南部
又吉健次・南部報道部
八重瀬町富盛区で21年ぶりに上演された組踊「伏山敵討」。あだ討ちの山場では観客が引き込まれていた=1日
沖縄本島南部は芸能が盛んだ。旧暦8月15日に当たる9月29日と直後の土日、各地で「八月十五夜」が開かれた。地域の芸達者たちが琉球舞踊や歌三線、難解なせりふ〝唱え〟のある組踊などを披露。取材にかこつけて、数カ月かけて稽古した技の数々を無料(そもそも料金は取っていないが)で楽しんだ。
10月1日午後11時、八重瀬町富盛(ともり)公民館。21年ぶり上演の組踊「伏山敵討(ふしやまてぃちうち)」を演じ終えたばかりの出演者にかけられた「じょーでぃち、じょーでぃち」の声に笑いが起きる。組踊独特の抑揚がある〝唱え〟をまねた区民で「上出来、上出来」の意味だろう。会場の雰囲気が和んだ。
演技指導担当で同区の野原和文さん(71)は「無事上演できてほっとした」と胸をなで下ろす。記者も1度だが稽古風景を見学しており、それだけにわが子の演舞を見る保護者のような気持ちだった。
もちろん全てが完璧ではない。かぶっていた笠を落とす人、ほんの一瞬だがせりふに詰まる出演者もいた。出演した12人は今年4月から台本を読み、本番直前の9月半ばからは連日稽古に励んだ。最後までうまく演じ切ったのには、練習量に裏打ちされた自信や蓄積があったと想像する。
富盛十五夜祭は盛りだくさんだった。同区では、薩摩島津氏と同じ家紋の衣装を着た一行が「下~に~ぃ~、下~に~ぃ~」の声で行進する大和人(やまとんちゅ)行列、中国清朝を思わせるいでたちの人々を連れて「國泰民安」と記された日傘(?)を差した王が行進する唐人行列も行われた。同区独特で、かなり面白い。...
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