
先日の外来で、主治医から「術後半年がたちましたね」と声をかけられました。あっという間で全く意識しておらず、もうそんなに経過したんだなぁ、というのが率直な感想です。この間、点滴の抗がん剤を2種類試しましたが、想定以上に副作用が出てしまい…。体調変化に戸惑いながらも、副作用の合間にわたしが楽しみにしていたもの、それはおいしいごはんです。食べる楽しみは忘れたくありませんね!
今回の記事では、胃の全摘手術から半年を迎えた現在のわたしが食道に詰まりにくく、食べやすい、そして何よりおいしいと感じているごはん屋さんについて、触れてみようと思います。
わたしの場合、副作用期間中は起き上がることはもちろん、食べることも難しくなります。日常生活がままならない状態で、朦朧(もうろう)とする頭で「回復したらアレを食べよう」「この店でランチするんだ」とぼんやり考えながら、具合の悪さに耐えていました。おかげでインスタの保存数が数えきれないほどたまっています。
もともと食べることが大好きなわたしは、胃全摘の術後4日目から食べ始めた流動食(重湯)もしっかり完食していました。その後も三分粥・五分粥・全粥とステップアップする際も完食し、退院間際の普通食もほぼ完食で食べ終わっていました。この当時から主治医には「割と食べられる患者さんですね」と言われていました。
退院後も「カフェのタコライスを完食した」だとか「オムライスも大丈夫だった」などと食事面の報告をし、主治医から「えーっ! もうそんな量を食べられるの!?」と驚きが返ってくることもしばしば。これまで多くの患者を診てきた主治医との対話で、わたしはやはり食事を食べられる側の胃全摘者だろうなぁと思います。
とはいえ、胃があってもなくてもそうであるように、食べられる・食べられないは個人差が大きいです。この文章を読んで、胃全摘をした皆さんが食べられないことに焦る必要はないですし、胃全摘患者の周りの方が「もっと食べなさい」とすすめることがあってはいけないとも思います。どうかさまざまな情報に流されることなく、マイペースに無理ない範囲で、食べる練習を続けましょう。
もちろん、比較的食べられる側のわたしも、まだまだ訓練中です。手術でつないだ食道と腸のつなぎ目付近に、食事が詰まることがあります。食事のたびに早期・後期のダンピング症候群のような症状も起こり、急に調子が悪くなります。ですが、食べることが生きるモチベーションのわたしです...