
制作途中の新聞。完成版も記念に撮影しておこうと思っていたのに、すっかり忘れてしまった
鈴木実・社会部
昨年の夏休み、中学3年だった長男が「厠版(かわやばん)」なる学級新聞を書いていた。「トイレがヤバい」と横見だしが張ってある。この学校のトイレがおんぼろ過ぎるのは有名な話で、学校評価アンケートみたいなものがあると、先生たちが「書け、書け、トイレのこと書け!」とハッパをかけてくるらしい。休み時間になると唯一まともな体育館のトイレに走ったり、登校を渋ったりする子もいると聞いた。
なにしろ個室のドアは、外からのぞけそうなほど隙間ができている。鍵は壊れて役に立たず、手で押さえていた時期があったとか。床のタイルはじめじめして不潔感たっぷり。記事では「もはや学校の伝統、地域の伝説。これでは安心してフンばることもできない」なんてフン慨している。
私が以前に話したことがあるからだろう。東日本大震災を機に学校の耐震化が全国的に優先され、トイレ改修が後回しにされがちなことにも触れていた。...