手前は〈missing (for sale)〉。奥は〈オキナワ・ポップ〉ともに2023年制作
手前は〈missing (for sale)〉。奥は〈オキナワ・ポップ〉ともに2023年制作

吉田伸・社会部

 沖縄県立博物館・美術館で開かれている、南風原町出身の現代美術家、照屋勇賢さんの個展を訪れた。タイトルはOKINAWA HEAVY POP(オキナワ・ヘヴィー・ポップ)。「HEAVY」(重い)と「POP」(大衆的)の二律背反的な言葉が並ぶ。

 2002年の初期作品から最新作までを一堂に集めた大規模個展。紙袋、新聞、段ボール。なじみのある日用品がクールに使われながら、沖縄の不条理を表現した作品が次々と現れる。

 視点をずらす。スケールを変える。複雑なものをシンプルに。これまでの常識を揺さぶりながら、これからの未来をどうつくっていくか―。多くの問いを投げかける作品の群れに圧倒された。

ショッピングバッグやトイレットペーパーの芯を切り込んで作った作品が吊されたエントランス=11月7日、那覇市の県立博物館・美術館
ショッピングバッグやトイレットペーパーの芯を切り込んで作った作品が吊されたエントランス=11月7日、那覇市の県立博物館・美術館
〈Constellation〉2012年~
〈Constellation〉2012年~

 会場入り口は天井からブランドのショッピングバッグがたくさんつるされている。床には美術館に不似合いなアウトドア用のリクライニングチェア。寝転ぶと箱の中には無数の星がきらめいていた。...