沖縄県で過去約30年間に、県議会の議決が必要にもかかわらず議会に諮っていなかった事案が土木建築部で160件以上、企業局で1件あったと判明したことが17日、複数の関係者への取材で分かった。いずれも事故などに伴い、県が加入する保険で損害賠償金を支払ったが、その額を決定する際に地方自治法96条1項13号に基づく議決を得ていなかった。(政経部・東江郁香、又吉俊充)

 土木建築部と企業局は、28日に開会予定の県議会11月定例会に関連する議案を提出する見通し。

 土木建築部では1990年度以降、県道などの管理道路で管理の瑕疵(かし)が原因で車両損傷などの事故があった場合、相手方と和解した上で、保険会社から損害賠償金を支払ってきた。

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 企業局では2008年、名護市で導水管が破裂して工事業者の機器などを破損させた。損害賠償金は、契約する保険から一部を、企業局が5万円を支払った。

 関係者によると、会計検査院からの指摘や、総務部から過去の事務処理をさかのぼって確認するよう指示があったことなどを受けて判明した。ミスが生じたのは、県が議決を要すると認識していなかったことが要因とみられる。

 県では手続きミスの発覚が相次いでいて、県議会での追及は必至だ。