連載「胃心地いいね」の第1回に登場した家庭料理と泡盛の店「やいま」。那覇市安里の栄町市場内で、宮良ミエさん(右)と義理の娘・みわ子さん(奥)らが切り盛りしていた=2003年6月(真栄田弘一撮影)
連載「胃心地いいね」の第1回に登場した家庭料理と泡盛の店「やいま」。那覇市安里の栄町市場内で、宮良ミエさん(右)と義理の娘・みわ子さん(奥)らが切り盛りしていた=2003年6月(真栄田弘一撮影)

新垣綾子・デジタル編集部

 那覇市政の担当記者だった20年前、那覇の話題に特化した「なはかわら版」という名の週2回、各1ページの紙面があった。沖縄の県都だけに、行政や議会、街ネタなどニュースは豊富で注目度は高い。先進的な取り組みや市井の人々を掘り起こす仕事はやりがい満載だったが、何せ遅筆で要領の悪い駆け出し記者。週2回ともなると、書いても書いても次の締め切りに追われた。常に「記事が足りない」と頭を抱え、紙面が真っ白になる夢まで見てうなされたことを覚えている。

 心身ともに、少しでも楽になりたい。それなら、お手軽に取材・執筆できる企画を立ち上げ、紙面の一定部分を埋めてしまおうー。正直に打ち明けると、そんな極めて不純な動機で練り出した苦肉の策だった。記者たちがイチオシの飲食店を紹介する連載「胃心地いいね」のことだ。

常に行列ができる沖縄そば店「首里そば」は、2005年3月の「胃心地いいね」で取り上げた。伝説の名店「さくら屋」を継承しているという=2005年3月、那覇市首里赤田町
常に行列ができる沖縄そば店「首里そば」は、2005年3月の「胃心地いいね」で取り上げた。伝説の名店「さくら屋」を継承しているという=2005年3月、那覇市首里赤田町

 堂々と言えない裏話はさておき、2003年7月のスタート時から読者の反応は上々だった。客足がどっと増えた取材先からは、歓迎と喜びの声、そして時には「急に忙しくなって、ありがた迷惑だ」と訴える悲鳴も。...